Sailing the Intracoastal Waterways

沿岸内の水路をゆく

パトリック・リーン、フィオナ・グラハム、ジェナ・キャスター、そしてローラ・グラハムは海洋科学者であり、“水”についての映画を作るために世界を旅する目的主導型の集団『Waterlust』のメンバーとしての顔も持つ冒険家です。海を舞台にした冒険、海洋科学、および水に関わるすべてのことに対する愛と情熱をシェアしてもらうべく、Sperryは『Waterlust』とタッグを組み、世界中のまだ見ぬOdysseyを探し求めています。

2隻のセイルボートを作るべく奮闘した日々から3週間後。『Waterlust』のチームはついに、メリーランド州中央部のアナポリスにある店『Chesapeake Light Craft』で彼らの探検用ボートを完成させ、彼らのホーム、マイアミ港までの船旅をようやくスタートすることができました。船づくりに全力で協力してくれたアナポリスの人たちに、最大限の感謝を。
ようやく完成した彼らの2隻のボートは、出発地点のアナポリスと目的地のマイアミにちなんで「アナ」「マイア」という縁のある名前を与えられました。

新たに完成したボートのテスト航海

Sperryの『Flex Deck CVO』がボート内部のペダルに置かれている様子
チームはアナポリスからバージニア州ノーフォークに向かい、その後バージニア州からカロライナ州へと船旅を続けました。何名かのクルーにとっては、この1,000マイルにもおよぶOdysseyが生まれて初めてのセーリング体験だったというのも驚きです。


バージニア州からカロライナ州へと向かうクルー


バージニア州からノースカロライナ州のアウターバンクスまでの旅は、野生の馬とキャンプ場が共存する島「シャックルフォード・バンクス」の光景が広がります。

Odysseyの中盤、サウスカロライナ州ビューフォートへと向かう道中で立ち寄ったハンティング・アイランド州立公園では、無人のバケーション・ハウス「Little Blue」を見つけました。
ハンティング・アイランド州は何年もの間、激しい嵐と波によって侵食された過去があり、報告書によれば、この家は2009年を最後に空き家となっています。
無人の家というのは無意味なものに思えるかもしれませんが、「Little Blue」と親しまれているこの家は、人々がかつてこの場所に定住し、身を置いていたひとつの証とも言えるのです。
また、ここへ訪れる事は、クルー達にとっても大きな意味を持っていました。なぜなら、「Little Blue」は州によって年内に解体されることが決まっていたからです。


ハンティング・アイランド州立公園を訪れる観光客は、激しい嵐と波を体験した「Little Blue」を通して、海のとてつもないパワーを実感することができるのです。そしてそのメッセージの重みは、『Waterlust』のクルーがマイアミへと向かう旅の真っ最中に上陸したハリケーン・ハーミーンによってさらに決定的なものとなりました。

「Little Blue」を目に焼き付ける

彼らはハリケーン・ハーミーンの凄まじい勢いを体験しましたが、その後は安全かつスムーズな船旅となりました。100マイルを超える航海は、マイアミに向かってどんどん近付いていくこととなります。

パトリック・リーンは6月にこのプロジェクトのアイデアを発表したとき、皮肉にもハリケーンと遭遇することを期待していました!

出発から2ヶ月、『Waterlust』のクルーはペダルを思い切り踏んで、ジョージア州とフロリダ州を結ぶ沿岸内水路を通り抜け、遂に彼らはマイアミへと到着しました。
ホームカミング(帰郷)は「旅の終わり」を意味する、空虚な瞬間でもありますが、1,000マイルを共にした思い出と2隻の手作りボートの存在が、クルーにとってこの旅を忘れがたいものにしてくれました。
そしてこの2隻のボートが、きっと彼らを次なるOdysseyへと導いてくれることでしょう。


マイアミへ帰ってきたクルーたち


2017年2月28日

ADVENTURES OF THE CREW

クルー達の冒険